【ビジネスアナリシス方法論 GUTSY-4®】フェーズⅢ.プロセス中位設計によるプロセス改革計画立案

こんにちは、私は、シーシーエヌグループの梅川です。
このたび、シーシーエヌグループは、国内唯一のビジネスアナリシス方法論、GUTSY-4をひろめるために無料の教材を開発しました。
このビデオは、その教材の中で、第Ⅲフェーズの『プロセス中位設計によるプロセス改革計画立案』の概要を説明します。

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       【ビジネスアナリシス方法論 GUTSY-4®】               フェーズⅢ.プロセス中位設計によるプロセス改革計画立案

まず、はじめに、弊社シーシーエヌグループを紹介いたします。
本社が東京神田にあるIT業界の会社です。
ERPパッケージの『SAP』を柱としたビジネスを展開し成長してきました。
最近では、IOT分野のソリューションである、みまもという製品を、開発・販売するなどの事業の多角化を進めています。
この多角化の中で、ビジネスアナリシス方法論である、GUTSY-4を活用したプロセス改善コンサルティングビジネスも開始しています。
このGUTSY-4は、プロセスデザインエンジニアリング社の社長である渡辺和宣先生が開発したビジネスアナリシスの方法論です。
弊社の社長が、渡邊先生と同窓の学友であったことから、弊社はGUTSY-4を活用したビジネスをするパートナーとして認定いいただいています。
それでは、以降のビデオで、GUTSY-4の第Ⅲフェーズの『プロセス中位設計によるプロセス改革計画立案』の概要を説明します。

GUTSY-4は、国内唯一のビジネスアナリシス方法論として業界でいちもく置かれる地位を確立しています。
組織階層に対応した7層からなるプロセス階層レベルを、ビジネスモデル、ビジネスプロセスモデル、IT要求モデル、ITモデルという4つのモデルへ構造化しています。
さらに、4つのモデルは、それぞれサブモデルへ要素分解と詳細化をしています。
そして、要素分解と詳細化したサブモデルを、プロダクトライフサイクルに沿った5つのフェーズで参照します。
それぞれのフェーズは、作業項目とアクティビティ、アウトプットを定義しています。
サブモデルを参照して、フェーズの活動を進めることになります。

この教材は、5つのフェーズの内、Ⅲ番目のフェーズである『プロセス中位設計によるプロセス改革計画立案』の概要を説明するものです。
GUTSY-4は、5つのフェーズを開始する前に共通的なフェーズの実施を説明しています。
従って、この教材は、共通フェーズの説明を先に行い、その後、第Ⅲフェーズの説明をします。
それでは、開始します。

共通のフェーズとして、スコープの事業概要と事業構造の把握です。
構想フェーズの対象となるスコープを確認・設定して、その事業概要と事業構造を把握します。
このフェーズは、どのフェーズから開始するにも共通的に一度だけ実施するフェーズです。
6項のアクティビティを実施します。
スコープの確認、事業概要の把握、事業構造の把握、主要ステークホルダーの特定、ステークホルダーの分析、業務課題の仮説設定です。
アウトプットは、用語集、バリューチェーン特性、組織モデル、スコープ全体図、ステークホルダ分析図、業務課題一覧、事業環境情報シートになります。

その中で、4つのアウトプットを説明します。
用語集は、業務領域ごとの企業間で共通的な業務用語の意味を説明したものです。
ステークフォルダ分析図は、改革から受ける影響を分析して、ステークホルダの行動を予測するために整理したものです。

バリューチェーン特性は、現状のサプライヤのサプライヤの特性、サプライヤの特性、自社の製品・サービスの特性、流通業者の特性、最終顧客の特性を整理したものです。
事業環境情報シートは、外部環境としてマクロ環境、タスク環境及び内部環境を整理したものです。
これらのアウトプットを事前に準備してフェーズⅢの開始に備えます。

フェーズⅢの全体像です。
プロセス改革構想フェーズから事業戦略実現や業務課題解決のための業務改革モデル(レベル2 )を受け、詳細なプロセス改革モデル(レベル3 )に展開したプロセス改革企画を立案し、組織内の合意形成を行うことが目的です。
13個の作業項目から構成されています。
この教材では、作業項目をWBSとも記載しています。
WBSは、本来、「Work Breakdown Structure」の略称で、プロジェクトのタスクを細分化して表で示す手法のことです。
GUTSY-4では、各活動項目をアクティビティとして呼び、それらをまとめた一連の活動項目群をWBSと読んでいます。
以降、WBSという文言で説明します。
それでは、ひとつひとつ見ていきましょう。

WBS①として、スコープの確認と設定です。
プロセス中位設計の対象スコープとなる業務シナリオと部門を確認して設定するWBSです。
2個のアクティビティを実施します。
プロセス上位(レベル3 )の特定、プロセス上位での業務シナリオを特定です。
アウトプットは、プロセス改革要求、レベル3プロセス図<現状>、レベル3プロセス図<改革後>、事業目標<現状値、目標値>、組織モデル<現状>、組織モデル<プロセス改革後>、用語集になります。

WBS②として、現状のレベル4プロセスの調査・記述です。
対象スコープとされた業務シナリオと部門について、現状を調査して記述するWBSです。
5個のアクティビティを実施します。
既存ドキュメントからの事前調査、業務担当者へインタビューと整理、業務担当者による不明点の調査、調査・記述結果の確認と完成、プロセス設計書への転記とレビューです。
アウトプットは、レベル4プロセス図<現状>、レベル4プロセス詳細記述書<現状>、用語集、インプット・アウトプット説明書<現状>、業務ルール説明書<現状>、レベル4プロセス改善課題になります。

その中で、4つのアウトプットを説明します。
レベル4プロセス図は、現状のレベル3のプロセス間の人、モノ、カネなどの情報の関係をチャートとして表したものです。
プロセス詳細記述書は、現状の各プロセスの目的、機能、インプット、アウトプット、コントロールなどを記載したもので、インプット・アウトプット説明書や業務ルール説明書の元になるものです。

レベル4インプットアウトプット説明書は、現状のレベル4プロセス毎にインプット、アウトプットの構成要素を記載し、さらにその構成要素がイベントなのかリソースなのかを区分けして、クラッド属性も識別したものです。
業務ルール説明書は、現状のレベル4プロセス毎に業務ルールを洗い出し、そのルールの整備状況を整理したものです。

WBS③として、現状のレベル4プロセス課題の抽出です。
現状のレベル4プロセス課題を抽出して整理するWBSです。
5個のアクティビティを実施します。
フェーズⅡにおいて抽出されたレベル4プロセス課題、当フェーズにおいて既に抽出したレベル4プロセス課題、新たなインタビューによって課題抽出、
レベル4パフォーマンス目標とのギャップの原因としての課題を抽出、プロセス設計書への転記です。
アウトプットは、レベル4プロセス図、レベル4プロセス詳細記述書、用語集、インプット・アウトプット説明書、業務ルール説明書、レベル4プロセス改善課題一覧表になります。

その中で、1つのアウトプットを説明します。
レベル4プロセス改善課題一覧表は、現状のレベル4プロセス毎に抽出した改善すべき課題を一覧表として整理したものです。

WBS④として、プロセス改革要求の構造化です。
レベル3のプロセス改革要求について、業務シナリオと現状のレベル4プロセスとそのプロセス構成要素へと構造化(すなわち要素分解と詳細化)して反映するWBSです。
4個のアクティビティを実施します。
プロセス改革要求のレベル4プロセスへの対応付け、 レベル4プロセス内での要素分解、レベル4プロセス内での詳細化、プロセス設計書への転記です。
アウトプットは、レベル4プロセス図、レベル4プロセス詳細記述書、用語集、インプット・アウトプット説明書、業務ルール説明書、プロセス対応マトリクス<レベル4まで>になります。

その中で、1つのアウトプットを説明します。
プロセス対応マトリクス<レベル4まで>は、レベル3プロセスとレベル4プロセスの対応関係を整理したものです。

WBS⑤として、レベル4プロセス設計です。
プロセス設計書の「現状プロセスの調査・記述」欄で維持すべき機能に、「現状プロセス課題の抽出」欄の解決と「プロセス改革の構造化」欄の実現、この3つを反映させて、新たなプロセスとして「レベル4プロセス設計」欄に設計するWBSです。
8個のアクティビティを実施します。
プロセス改革要求の構造化の確認と反映、レベル4プロセスの再設計、レベル4プロセスの新規設計、レベル4プロセス改善課題の原因プロセスの特定、レベル4プロセス改善課題の解決策の設計、
解決策のプロセス設計書への転記、レベル4プロセス設計結果のレビュー、プロセス設計結果の反映と報告です。
アウトプットは、レベル4プロセス図、レベル4プロセス詳細記述書、用語集、インプット・アウトプット説明書、業務ルール説明書、組織モデル<現状>、組織モデル<プロセス改革後>になります。

WBS⑥として、レベル4プロセスの簡素化と標準化、リスクコントロールの(再)設計、共通ビジネスサービス化の検討と設計です。
これらのWBSは、オプションです。実施が不要な場合はスキップします。
3個のWBSを説明します。
レベル4プロセスの簡素化と標準化は、異なる業務シナリオや部署において実施されている各々のレベル4プロセスについて、帳票や例外処理の廃止、業務ルールの整備、プロセス自体やプロセス間の重複機能の廃止などを検討し、プロセスを簡素化、完全化、効率化する、そして標準化を行うWBSです。
リスクコントロールの(再)設計は、レベル4は、「粗くもなく、細か過ぎもせず」のため、リスクマネジメントのための適切なプロセス粒度となります。ここは、レベル4プロセスにおける内部統制を始めとするリスクを評価し、このためのリスクコントロールを見直し(再)設計するWBSです。
共通ビジネスサービス化の検討と設計は、これまで設計されたレベル4プロセスから、共通のビジネスサービスを抽出して設計するWBSです。
アウトプットは、共通に更新されるものとして、レベル4プロセス図、レベル4プロセス詳細記述書、用語集、インプット・アウトプット説明書、業務ルール説明書、プロセス対応マトリクスになります。
また、新たに作成されるものとして、リスクコントロール設計、RCM、リスクリスト、共通ビジネスサービス設計、共通ビジネスサービス設計になります。

その中で、1つのアウトプットを説明します。
リスクリストは、想定されるリスクを洗い出し、リスクの事象、トリガー・識別方法、評価基準・方法、、発生確率・影響の発生確率、リスク尤度・期待損失などを整理したものです。

WBS⑦として、概要レベルIT要求定義です。
設計されたプロセス改善モデルから概要レベルIT要求を定義するWBSです。
6個のアクティビティを実施します。
ユーザクラスの定義、概要レベルIT要求の引き出しと詳細化、概要レベルIT要求の分析、概要レベルIT要求の仕様化、概要レベルIT要求の形式検証と妥当性確認、概要レベルIT要求定義書へ取りまとめとレビューです。
アウトプットは、概要レベルIT要求定義書(機能要求)、レベル4プロセス図、レベル4プロセス詳細記述書、インプット・アウトプット説明書、業務ルール説明書、概念データモデル(ドラフト版)、レベル5プロセス設計方針、用語集になります。

その中で、3つのアウトプットを説明します。
概要レベルIT要求定義書(機能要求)は、レベル4プロセス毎にプロセス詳細記述を参照し質問によって引き出した概要レベルのIT要求から分析・仕様化して整理したものです。
概念データモデルは、エンティティ毎に、キー項目、主要なデータ属性を洗い出し整理したものです。

レベル5プロセス設計方針は、業務ルール、情報エンティティ、ITプラクティス、プロセス詳細、プロセス管理、ロール管理、パフォーマンス管理、業務定義という8個の改善設計区分ごとに改善対象とレベル5の設計方針を整理したものです。

WBS⑧として、概要レベルIT非機能要求の定義です。
概要レベルのIT非機能要求を定義するWBSです。
3個のアクティビティを実施します。
複数プロセスへのIT非機能要求の定義、個別プロセスへのIT非機能要求の定義、概要レベルIT非機能要求定義の報告と合意形成です。
アウトプットは、概要レベルIT要求定義書(非機能)になります。

その中で、1つのアウトプットを説明します。
概要レベルIT要求定義書(非機能)は、有効性、効率性、機密性、インテグリティ、可用性、コンプライアンス、信頼性などに対する要件を整理したものです。

WBS⑨として、概要レベルIT要求の優先順位付けです。
引き出したすべてのIT要求について優先順位付けを行うWBSです。
二つのケースがあります。
前フェーズを経てITビジネス要求が定義されている場合、レベル4プロセスが所属するレベル3プロセスを特定して、ITビジネス要求の相対的重要性を評価します。
次に全てのIT(ユーザ)要求について、ITビジネス要求への貢献度を評価します。
この際の評価式は、IT(ユーザ)要求の相対的重要性=IT ビジネス要求相対的重要性×IT(ユーザ)要求のビジネス要求への貢献度です。
最後に、全体における概要レベルIT 要求のスコアの集計します。
その際の計算式は、IT要求のスコア=∑IT要求の相対的重要性です。
前フェーズを経ていない場合、ITビジネス要求が定義されていないため、IT(ユーザ)要求について下記の要因を評価して、優先順位付けシートを使用して優先順位付けします。
アウトプットは、優先順位付けシートになります。

その中で、1つのアウトプットを説明します。
優先順位付けシートは、IT(ユーザ)要求を顧客から見た価値、ビジネスから見た価値、実現に要するコスト、実現の容易性についてそれぞれ10段階で評価し、さらに重みを考慮して優先順位を計算したものです。

WBS⑩として、IT選定前のプロジェクト詳細計画書の作成です。
ITビジネス要求とIT要求を実現するためのIT ソリューション選定前のプロジェクト詳細計画書を取りまとめるWBSです。
4個のアクティビティを実施します。
IT導入プロジェクトの目的の記述、IT導入後のプロセスの記述、プロジェクト目標の記述、成果物とその作成方針です。
アウトプットは、プロジェクト詳細計画書になります。

その中で、1つのアウトプットを説明します。
プロジェクト詳細計画書は、IT導入プロジェクトの目的、IT導入後のプロセス、プロジェクト目標、成果物とその作成方針を取りまとめたものです。

WBS⑪として、RFPの作成です。
概要レベルIT 要求(IT ビジネス要求、IT(ユーザ)要求) をもとにして、RFP(Request for Proposal 提案依頼書)を作成するWBSです。
3個のアクティビティを実施します。
RFPの構成の検討、RFPの作成、RFPの送付です。
アウトプットは、RFPになります。

その中で、1つのアウトプットを説明します。
RFPは、ITソリューションとITベンダーを選定するための提案依頼書です。技術的な要求、プロジェクト管理への要求、ベンダーへの要望、価格提示への要求などが記載されます。

WBS⑫として、ITソリューションとITベンダーの選定です。
ITベンダーからの提案書を評価して、最適なITソリューションを選定するためのWBSです。
4個のアクティビティを実施します。
提案書の評価基準と重みの決定、RFP説明会の実施、ITソリューションの選定、ITソリューションの選定の報告です。
アウトプットは、最終選定された提案書、ITベンダーとの契約書、ITベンダー選定報告書、ITベンダーへの通知になります。

WBS⑬として、IT選定後のプロジェクト計画書の完成と承認です。
選定したITソリューションをベースにして、プログラム計画書のうち当フェーズで詳細化したものをプロジェクト詳細計画書として完成するWBSです。
3個のアクティビティを実施します。
プロジェクト詳細計画書の完成、プロジェクトマネジメント計画書の立案、プロジェクト詳細計画書の承認です。
アウトプットは、プロジェクト詳細計画書、概要レベルIT要求定義書(機能要求)、概要レベルIT要求定義書(非機能)、プロジェクトマネジメント計画書になります。
このWBS⑬が第Ⅲフェーズの『プロセス中位設計によるプロセス改革計画立案』の最後のWBSになります。

おわりに、5つのフェーズを説明する教材をオンライン化を紹介します。
このように、弊社は、GUTSY-4の5つのフェーズの内、フェーズⅠ、Ⅱ、Ⅲを解説したオンライン教材(無料)を開発し公開しました。
今回ご紹介した教材は、フェーズⅢ.プロセス中位設計によるプロセス改革計画立案です。
進め方(WBS、アクティビティとアウトプット)を中心にして説明しました。
GUTSY-4を導入すると、教材で説明した内容だけでなく、各種の技法、ツールや各種コンセプトを知ることができます。
さらに、業務参照モデルを活用すれば、生産性と品質を上げることができます。

弊社は、GUTSY-4のコンテンツを活用したビジネスを展開しています。
現在は、企業のデジタル化が求められています。
GUTSY-4を活用してデジタル化を推進したいとお考えがありましたら弊社をご用命いただき、貴社デジタル化を共創いたします。