【製造業向け業務システム用語が分かるシリーズ】 販売管理Ⅱ

シーシーネットワークグループの梅川です。

私は、新卒(約40年前ですが)でSIベンダーに入社し、中堅製造業のお客様に対して、業務システムを構築したり、業務パッケージを導入したりする仕事を行ってきました。

その経験を踏まえて、製造業向けの業務システム構築に必要な各種の用語を紹介したいと思い、このブログの場を借りて記載します。

粗々の内容ですが、読者のお役に立てれば幸いです。

宜しく、お願いします

販売管理編 2.案件管理

 

 

販売管理とは、企業活動における「お金」と「モノ」の流れを管理することです。具体的には、「何を・誰に・いつ・どこで・いくつ・いくらで」販売したのか、また請求や代金の回収は済んでいるのかなどを管理します。

商品を製造するために必要な「仕入」や、製造した商品の「在庫」を管理することは、購買管理や在庫管理と呼ばれます。こちらも広義的にとらえると販売管理の対象です。

しかし、製造業の場合、在庫管理や購買管理は、工場の生産管理部門で行っていることが多く、生産管理の機能として位置づけられることが多いです。

今回のテーマである案件管理は、案件ごとに個別に見積を行う生産方式の会社が採用している管理機能です。
案件管理と見積管理があります。

以降に、その業務システムの主要な用語例を紹介します。

2.1.案件管理の主要な用語

(1) 案件管理関連

案件管理更新:
案件情報(引合情報)を管理するデータベースの登録/更新/削除を行います。
案件を登録することで、見積登録が可能となります。案件ステータスで状態を管理します。

案件情報一括取込み:
外部システムから連携される案件受注情報をCSV経由で一括取込を行います。

案件管理一覧:
案件情報と案件に紐付く見積情報を検索し、一覧表示を行う。
必要に応じて、CSV出力を行うことができます。

主な管理項目
案件番号(キー項目)、案件名、得意先コード、案件ステータス、確度、見込金額、担当部門コード、担当者コード
この中で、案件ステータスは、案件の状況を管理するものであり、引合、見積、内示 、確定受注、失注、 完了などがあります。

 

(2) 見積管理関連

見積管理の機能:
見積情報を管理するデータベースの登録/更新/削除を行います。
(1)の案件情報が登録されていないと見積情報が登録できないように制限する場合があります。
案件情報データベースに設定されている項目は、見積情報へも展開します。

見積情報一括取込み:
外部システムから連携される見積情報をCSV経由で一括取込を行います。

見積明細一覧:
見積の明細案件情報と案件に紐付く見積情報を検索し、一覧表示を行う。
必要に応じて、CSV出力を行うことができます。

御見積書の出力:
客先に提示する御見積書を出力します。

 

主な管理項目
〇 案件管理項目:
案件管理項目は、見積管理項目に含まれるため省略します。
〇 見積管理項目

案件番号、見積番号、見積ステータス(見積中、内示、確定受注、キャンセル)、見積日、指定納期、納品場所、荷造運送費、お支払条件、見積有効期限、見積担当者、見積担当部門、見積金額合計、内示受領フラグ、削除フラグ、消費税コード、消費税、品目番号、販売品目名
〇 見積明細項目:
案件番号、見積番号、明細番号、手配品目種(製品、役務)、得意先品目番号、品目名、指定納期、数量、単価、単価値引、単価×数量、単価値引×数量、見積単価×数量、見積金額
製品属性 製品仕様、 見積予算(合計、材料費、加工費、外注費、役務費、その他経費、
設計の状態をあらわすステータス(空白、設計依頼、設計中、回答済)、設計依頼先、設計回答者、設計回答日
見積の状態をあらわすステータス(空白、見積依頼、見積中、回答済)、見積依頼先、見積回答者、見積回答日
納期回答の状態をあらわすステータス(空白、納期回答依頼、納期調整中、回答済)、納期回答依頼先、希望納期、回答納期、納期回答者、納期回答日

2.2.案件管理のシステムでの話題

(1) 運用が定着しにくい案件管理

案件情報や見積情報は、営業マンがその情報を入力するのですが、運用が定着せず、紙ベースやEXCELで管理を行っている場合が多い業務です。その理由は、案件情報の場合、その案件が失注した場合の情報が可視化されるため、営業マンが入力を嫌うことによります。また、見積情報の場合、客先指定の見積書フォームへの記載などがあり二重作業になってしまうため、営業マンの作業が煩雑になってしまうことによります。

 

今回はここまでです。次回もよろしくお願いします。